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カネボウ「攻め」の始まり 基礎化粧品の新シリーズ発表

7月28日8時0分配信 産経新聞


 ■「花王連合」で資生堂に挑む

 カネボウ化粧品は27日、基礎化粧品の新シリーズ「デュウ スペリア」を発表した。旧カネボウグループから独立し、花王傘下に入った同社による商品ブランド設立第一弾。同社はメーキャップでの新ブランドも年内投入する計画で、花王・カネボウ連合で、最大手の資生堂に挑戦する。

 新たなスキンケアブランドは、化粧水や乳液など9品目13品種。新開発成分の配合で、肌の持つ抗酸化力を高めるなどし、高い保湿成分をうたう。値段は3675円から10500円と、景気回復基調も視野に高価格帯に設定された。イメージキャラクターに女優の松雪泰子さん(34)を起用。10月16日から、全国のドラッグストアや総合スーパーで販売する。

 経営不振から旧カネボウが平成16年、産業再生機構の支援を受ける中で、優良だった化粧品部門が独立。化粧品事業強化を目指す花王が18年1月にこれを約4000億円で買収し、商品ブランド数を60弱から20強に絞り込むなどの経営改革を進めた。横ばいが続く国内化粧品市場で、カネボウ化粧品の今年上半期の売り上げは、前年比106%の実績を残した。

 昨年発表されたカネボウ化粧品の新成長戦略には「攻め」の要素も加わり、年間売り上げ100億円超のメガブランドを現在の6つから、22年までに倍増させる計画。「デュウ スペリア」は、その皮切りの位置づけで、初年度70億円、2年後には100億円超の売り上げを目指し、宣伝費などを集中投資する。

 カネボウ本体は今月から社名をクラシエに変更。知識賢治社長は、マーケティングなどで花王との相乗効果も発揮していく考えを示したうえ、「カネボウブランドの唯一の継承者として全力で取り組む」と、ライバル視する資生堂への追撃姿勢を示した。

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 ■各社、団塊ジュニア照準

 新スキンケアブランド「デュウ スペリア」を投入したカネボウ化粧品が狙う顧客層は、「肌の手入れを惜しまない成長市場」を構成する20代後半女性だ。他社も20代後半から30代前半の「団塊ジュニア」世代をターゲットとした基礎化粧品を続々と投入している。1兆1000億円市場と言われるスキンケア市場をめぐる戦いは一段と熱を帯びそうだ。

 カネボウの調査では、「顔立ちが老けてきた」と答えた20代女性は69・2%で、30代女性(53・9%)を引き離した。肌の変化に悩みはじめる年ごろに加え、化粧開始年齢が早い世代の特徴が、「肌荒れとその対策意識を高めている」という。

 花王は昨年、カサつきやニキビなど、不安定になりがちな20代の肌トラブルに目をつけた新ブランド「ハダ・カ」を発売。団塊ジュニアを「就職氷河期などを経験してきたまじめな世代」(同社幹部)と分析し、肌をほぐす柔軟化粧液を加えるなど、あえて手間暇かかる商品構成にした。

 資生堂は今月、「エリクシール シュペリエ」から30代女性に向け新美白クリームを発売。コーセーも団塊ジュニアを狙い「エスプリーク プレシャス」から新基礎化粧品シリーズを9月16日から発売する。

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