行ったことがなくても、どこにあるのか知らなくても「常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)」という名前は一度は耳にしたことがあるはず。ムームーに身を包み、実際にハワイに行ったことがない人でもハワイアン気分を満喫してしまう憩いの場! そんな温泉リゾート地がかつて70年代~80年代に衰退の運命をたどった炭鉱地だったとはどれくらいの人がご存知だろうか?

 昭和30年代後半、産業の中心となるエネルギーの主役は、「黒いダイヤ」とまで呼ばれていた石炭から、石油という新しい資源に取って代わろうとしはじめていた。それまで国の基幹産業として栄華を極めていた多くの炭鉱は、このエネルギーの進化により、閉鎖の危機に追い込まれ、そして石炭に依存していた地域経済にも多大なる影響を及ぼしたのだった。本作は、閉鎖に追い込まれた炭鉱の村の人々が、村を、家族を、自分たちの生活を守るために、“北国の村を常夏の楽園に変える”という一大決心の元、奮闘し、見事再生を果たした実話に基づいた物語である。しかも村を救ったのは、村の娘たちによる“フラダンス”!!

 お正月気分がまだ抜けきらない1月8日、東京渋谷のセルリアンタワーホテルのボールルームに、真っ赤な文字で“フラガール”の文字が掲げられ、今月より早速撮影が開始される『フラガール』の製作記者会見が行われた。会場に、南国ムードいっぱいの音楽が流れると華やかな衣装に身を包んだダンサーの皆さんが華麗なハワイアンダンスと熱気あふれるポリネシアンダンスを披露。外の寒さなど一気に吹き飛ばすようなステージで会見が始まった。

 主演の、村の少女達にダンスを指導するダンス教師、平山まどかを演じるのは、松雪泰子。かつての花形ダンサーが、旬を過ぎ、しがらみを抱えてやむを得ず東京から福島県いわき市にやってくる。そんな彼女を演じるにあたり松雪さんは、「山が閉鎖になる、村の人が苦労していることを感じながら、始めは“関係ない”と思っているが、次第に“ここをハワイにしたい”と最終的には思う。その辺の心情の変化をうまく表現していきたい」とコメント。またバレー歴がある松雪さんだが、ダンサー役は今回がはじめてとのこと。「2ヶ月近くレッスンし、特訓を積んだので楽しみにしている。おもしろい作品にできたら」と語った。

 最初は、観光地化に反対する地元の炭鉱夫・谷川洋二朗を演じるのは『北の零年』、『大停電の夜に』の豊川悦司。今回は地元の男を演じるにあたり「福島弁が大変そうですが?」との質問に「福島弁はとてもむずかしくて、ほんとに言葉もあまりでねー感じです」と福島弁で返答。撮影前から完璧な様子。その福島弁について「思った以上に美しくて…しゃべっていると心がリラックスしてくるんですよ。福島弁を話しながら、気持ちよく仕事できるのでは?と思っています」とコメント。ひょっとしたら、常磐でのハワイアンセンターの成功の裏には「福島弁」による癒しの効果もあったのだろうか??

 その豊川さんの妹役・谷川紀美子を演じるのは、今最も輝いている若手女優、蒼井優。村の娘の一人として、村を救うため、見たこともないハワイの踊りに奮闘する。今回の役どころを踏まえ、今後の演技への決意について聞かれると「今までは、(ダンスなど)技術的なものが要求されると、自分として表現してしまうところがあったんですが、今回は、役の紀美子として表現したいなと思っています。そこが今回の課題ですね」。今年成人式を迎える“ひとまわり成長した”蒼井さんの決意も垣間見えた。

 今回の登壇者の中で、ある意味、最も注目されていたのは本作で本格的女優デビューを飾る南海キャンディーズのしずちゃんこと、山崎静代さん。蒼井優さんと同じく村の娘役を演じる。もちろん劇中では“フラガール”としてフラダンスを披露することとなるしずちゃんは「今回は女優、山崎静代で参加させていただきます。小さい百合と書いて小百合、吉永小百合さんと同じ名前ですね。名前と見た目のギャップを楽しんでいただければと思います。踊り子の役、大抜擢されまして…私の妖艶な踊りでみんなを虜にしたいなと思います。泣くシーンが途中であるんですけど、私の“泣き”のシーンで全米を泣かしたいなと思います」と芸人魂をみせたさすがのコメントで、会場を沸かせた。

 監督は、『69 sixty nine』でメガフォンをとった李相日監督。今回この作品の製作に関わることになった経緯については、「“炭鉱がハワイに変わる”という一つのフレーズにすごく映画的なおもしろさがあると感じた。時代が変わっていく中で変われる人と変われない人たちを描くことは、いつかやってみたいテーマだった」と語り、「女の子たちが自分の意思とは関係のないところでコミュニティを背負っていかなければならない、好きとか嫌いとか関係なく。その中で輝いていく様を描きたい。今まで男の子ばかりやってきたので、新しいチャレンジという意味でもやってみたかった」とコメント。今、最も注目を浴びている李監督が「フラダンス」と村の少女たちの奮闘をどのように料理し、どのような作品に仕上げてくれるのか、期待感が高まる。

 音楽は、ハワイ政府観光協会のCMでもおなじみのジェイク・シマブクロさんが担当。全米ワールド・ミュージック・チャートにもランク・インした彼の音楽が更にハワイアン・ムードを盛り上げてくれること間違いないだろう。

 今年は、『フラガール』で“スパリゾート”と“フラダンス”がこの夏のムーブメントを引き起こす!? 今から夏の公開が待ち遠しいっ!! この夏期待の一本になりそうだ。

資料來源:http://www.cine-tre.com/cinematopics/?20060108

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