世界129か国での上映決定! 日本人による日本賛歌の想いを込めた『ベクシル』


70年後の日本は鎖国状態──そんな驚くべき設定の映画『ベクシル ─2077日本鎖国─』。『ピンポン』の曽利文彦監督によるこの3Dライブ・アニメーションは、ロカルノ映画祭、トロント映画祭での上映や、世界129か国での公開が決定している作品だ。前作『ピンポン』から5年の歳月を経て、曽利監督が満を持して製作した本作が8月18日(土)に公開初日を迎え、監督のほか、吹き替えを担当した黒木メイサ、松雪泰子、そして主題歌を歌ったminkが舞台挨拶に登壇した。

鎖国された日本に潜入する主人公・ベクシルの声を担当した黒木さんは「待ちに待った公開初日が来て、すごく嬉しいです。みなさん、作品をご覧いただいた後ということで、作品がどうだったのか、すごい気になっています。世界中で、この『ベクシル』が公開すると聞いて、これもまた嬉しく思っています」と挨拶。黒木さんにとって本作は声優初挑戦となった作品だ。「当日は、すごく緊張しながらスタジオに行きました。声優さんって、すごく大変だろうなというイメージがあったんですが、始めてみると楽しくなってきて、難しいというより楽しかった思い出が残っています」とコメントした。

主題歌を歌ったminkさんは、「今回は共作という形ですけど、作詞もやらせていただきました。切なさとか希望とかいろんな感情が複雑に交ざっている作品で、本当に(声優を担当した)みなさんの声でキャラクターの気持ちがより一層伝わってきたので、私も負けないようにがんばりました。前に進むためには何かを犠牲にしなきゃならないというような宿命や切なさを、ごく身近にある“愛”という形で表現しようと思いました。どちらかというとマリアからレオンに向けたメッセージに近いかもしれません」と曲に込めた想いを語った。
日本が完全鎖国状態になっているという設定について監督は、「非常にショッキングな内容だと思います」と言う。だが、「この作品は、企画の段階から世界コンテンツとして、世界市場に向けて日本のエンターテイメントを輸出していくという志で作り上げたものです。内容は日本人にとってはとてもショッキングかもしれませんが、自分にとっては本当に日本人の美徳、奥ゆかしさとか謙虚さといったものを、より世界にアピールできると考えて作っています。ハリウッドがアメリカNo.1みたいな映画をよく作りますが、日本人が日本賛歌として作る映画というのは決して日本が世界のNo.1です、というような形でうたいあげるものではないと思います。この映画は、こんなショッキングなエンディングですけど、決してこうはなりたくないというのがこの映画のメッセージだと思っています」と作品に込めた想いには熱いものがある。

日本に潜入したベクシルを助ける謎の女性・マリアを演じた松雪さんも声優初挑戦。「キャラクターの個性を声で表現していかなくてはいけないという意味では、どういう声を出していくか、曽利監督と打ち合わせをしながら、いろんな声を試して作っていったんですが、すごくいい勉強になりました。やはりお芝居というのは声も重要なんだなと再確認出来ましたし、すごく良い経験でした」とその感想を語る。また、お気に入りのシーンは、「マリアたちが出撃する前に集まって、『行くぞ!』というシーンとかは、中盤の高揚していくシーンですし、そこがすごく好きで、あとマリアが、何というか、言葉にならない何かを残して散っていくラストのシーンが私はすごく好き」だそうだ。

これまでの日本のアニメーション文化をさらに発展させるに違いない『ベクシル─2077日本鎖国─』は、丸の内プラゼールほか全国にて公開中。

http://www.cinemacafe.net/news/cgi/report/2007/08/2333/
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